第3回ルミオンコンペティション作品投票

作品詳細

作品

自由題

キリロムに自然光の移ろいによって建築空間を巡るギャラリーを兼ねたアトリエを提案する。
「建築」または「空間」において「絵画」とはどんな存在だろう。それぞれの年齢や性別、生まれ育った文化背景などによって「絵画」への感覚や捉え方が変わるであろう。つまり絵画・空間の双方を各々の領域に留まらない計画が必要ではないだろうか。この考えを元に第一の要素として、敷地であるキリロムリゾートが自然変化に富んでいることから自然光による空間変化を選択した。そこに第二の要素として観覧者の感情を揺さぶる作品を描き続けた画家フランシス・ベーコンの作品を選定。本計画ではベーコンの為に4つの展示空間を用意した。
1つは空間を仕切るもの、2つ目は観覧者を誘導するもの、3つ目は時間によって動線に変化を与えるもの、最後に境界をつくるもの。
そして建築の中心部にはコレクターのアトリエが広がっている。密林を潜り抜け、辿りついた先に作家だけの旋律による世界が佇んでいるのである。

  • 自由題
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講評

このダンジョンを巡るようなカメラの動き、どこかで見たような気がするけれど何だっただろう…と思いながら途中で「バイオハザード」だと気付きました(笑)。そして最後まで、展示されている絵画に目が行くことはなかったです。解説を読んでようやく「ああ、これは美術館だったのか」というくらいです。展示会を見る人の歩きや視線の動きはもっと全然ゆっくりですし、何より絵画に目が行くことになると思います。それを感じられないと、ギャラリーやアトリエのプレゼンテーションとしては成功していないことになるかと思います。何もカメラをぐるぐる回して全方位を見せることが有効なプレゼンではなく「どこをどう見せたいのか」という意図がしっかり伝わるカット割りと構成が必要ということです。また、音楽のチョイスもあまり成功していない印象です。ベーコンの作風を考えても、ギャラリーもしくはアトリエという空間のことを考えても、もっと内省的な音楽が適切なような気がします。