第3回ルミオンコンペティション作品投票

作品詳細

作品

コミュニティーホール

雨との生活を魅力へと変えよう。
観光には不向きとされる雨季を、その場所固有の魅力ある景色へと転換する建築を提案したい。
日常においては、いつも誰かと会える賑やかな場所をつくる。現地の土を利用した版築構造の赤い壁は、表参道ストリートの軸に対して開かれた回廊をつくり、内側には広場が形作られる。カフェに立ち寄った人々は広場へと流れ、起伏を利用した広場では談話、運動、昼寝等、個々が活動を行う場所を自由に見つけることができる。活動を他の誰かへ表現する場合には、広場は観客席へと変わる。
雨季のスコールが起こると、人々は広場から回廊へと雨宿りを始める。屋根から流れる雨水が水の境界となり、回廊は日常とは違う表情の内部空間に変わる。そこではものづくり、映画鑑賞、読書といった活動が行われる。広場は水盤となり、賑わいの場から美しい景色へと意味合いを変える。この時にしか見ることの出来ない、青い世界へと一変する。

  • コミュニティーホール
  • コミュニティーホール

講評

オープニング、セクションの転換、そしてエンディングという構成をロゴマーク的なものをとても上手く使って作られていらっしゃいますね。ただ、このロゴーマークが建築物全体の俯瞰の形を現しているということは、ムービーの冒頭で伝えておかないとせっかくの工夫が活きず、大変勿体無い印象です。また、画について申し上げますと、全てのショットが同じ位のサイズ(ある程度の人々が見える位の広めの構図)なので単調になってしまっています。もっと、タイトな画(クローズアップやミディアムサイズ)を混ぜて行かれると良いかと思います。それから音についてですが、冒頭でせっかく人々の生活を感じられる環境音を使っていらっしゃるのに、音楽のボリュームが大きくて勝ってしまっており、勿体無い気がします。もっと絞るか、いっそ、晴天時には音楽なしにして雨天時のセクションだけ音楽を使うことで、通常の発想と逆な「雨の日こそ魅力的」というドラマチックさを出す道具にするというのもひとつの手かも知れないと思いました。